もう一度逢うその日まで(澄谷)

澄谷『・・・と、そういう訳なんだ』
沙織『そうですか、では私も』
マネ『良いの?』
沙織『はい、私も3年ですので』

と、そんな流れで拓哉考案のゲームが始まった。
クジで当たった人が一芸を披露する。
割りばしではなく、アミダクジ方式となった。
名前を書くのは3年は全員、1年と2年は希望者のみという事になり誰もいなかったのは言うまでもない。

マネ『あ・・・』
城咲『サオリン・・・ね』

最初に当たった部員が似ているのかよく分からない物真似を披露し、第二回の抽選。
《三国沙織》と綺麗な字で書かれている所へ、辿り着いてしまった。

マネ『えっと・・・どうする?』
瀬名『何なら、マサキが代わりにやっても問題無いんじゃないか?』

周りの部員からも同じような声があがる。
確かに、この場面ではそうするしかない。
だが・・・生憎、オレにはその手のレパートリーは無かった。

澄谷『えっと・・・』
沙織『大丈夫です。思い付きました』
城咲『いいの?』
沙織『はい』

六道さんの物真似でもするしかないか・・・と、悲壮な覚悟を決めたその時、沙織が立ち上がった。
部員達からも期待に満ちた声があがる。

沙織『それで、マサキ君』
澄谷『?』
沙織『協力していただけますか?』

歓声が一層大きくなった。
口笛で冷やかす者、『ついに生い・・・フゴッ!』と、円&マネージャーの同時攻撃を喰らい撃沈した者までいる。
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