夏が終わって(なつき)
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Natsuki Fujino
ユリ、帰還
ユリ『スーパー銭湯がダメだったら、プールにでも・・・』
なつき『もっとダメ』
ユリ『え~、どうしてぇ?』
なつき『どうしても』
いつの間にか話題が一周して、スーパー銭湯云々の話に戻っていた。
オカマ店長は、在庫の確認の為に奥に行っている。
ユリ『・・・あ、そっか~。周りの男の人、この前の矢部さんみたいな状態になっちゃいますからね』
なつき『う・・・勘弁してくれ』
ユリ『でも仕方ない事なんでしょうか?この前来たあの人だって、あんな事になってましたし・・・』
なつき『あの人?』
ユリ『ほら、あの後トイレで先生が・・・』
なつき『あれは、まあ・・・アイツが・・・』
絶対喜んでいたよな、アイツ。
分かってて、ああいう座り方してただろうし。
とりあえず、仲は良さそうで何よりだ。
・・・そういえば。
ユリ『どうしました?あ、何か飲みます?』
なつき『いや・・・あれ、誰か来たぞ』
チリリンと鈴の音がしてドアが開かれる。
二人の女性が入ってきた。
??『ごめんくださーい』
??『・・・』
ユリ『えっと・・・あ、いらっしゃいませ。掛けてて下さい』
顔を見た途端、エプロンも着けないまま接客を始める。
一人は明るい茶髪のショート、もう一人は長い黒髪を後ろで束ねていた。
茶髪のショートは、前にも会った事がある。
??『あ、藤乃先輩。御無沙汰してます』
??『えっと・・・はじめまして』
なつき『天草か。そして、そっちが・・・』
??『・・・田崎、羽入(たざきはいる)です』
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