夏が終わって(なつき)

みわ『後はねー・・・あら?』
なつき『・・・ユリ?』

ノックの音に続いて『店長ー!』と聞き慣れた声。
一度アイコンタクトを交わし、ドアを開ける。

ユリ『店長、本当にすみませんでした・・・』
みわ『大丈夫なの?』

深々と頭を下げている。
手にはお土産の袋。

ユリ『はい、あの娘と一緒にスーパー銭湯行ってきましたから・・・あ、先生』
なつき『スーパー銭湯って・・・』
ユリ『心も身体も癒されてきました★』
なつき『それは良かったな・・・』

お土産を手渡す。
ユリの実家の方の名産品だ。

みわ『あら、いつも悪いわね』
ユリ『先生の分も、どうぞ』
なつき『ああ、すまんな・・・で、本当に大丈夫なのか?』
ユリ『はい、その為のスーパー銭湯ですので。ああ、思い出すだけでもう・・・』
なつき『・・・』

ぽわーんとした表情を浮かべ、プルプルと震えている。
ちなみに今日のユリは、セーラー服ではなくラフな私服姿だった。
カウンターに氷の入った烏龍茶が置かれる。

みわ『はい』
ユリ『あ、すみません。先生も今度いかがですか?』
なつき『・・・遠慮しておく』
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