夏が終わって(なつき)

女子リーグの娘、というのは西条美月(さいじょうみつき)と城咲円(しろさきまどか)・・・二人ともリーグの主力として活躍しており、遥との会話でも時たま出てくる人物だった。
夏休みに帰省した際、妹と観に行ったらしい。
彼女達が来たのなら、むしろユリは喜ぶはずだ。

そしてもう一人、同年代の女性がいたらしい。
ひょっとしてリナではないかと疑ったが、彼女は《サトミ》と呼ばれていたようだった。
既婚者らしいとの事だったので、念の為に特徴も聞いてみたが(リナとは)明らかに違っていた。

よくよく考えてみれば、リナとは前にこの店で会った事がある。
当然、オカマ店長も覚えているはずだ。
しかし、次に出てきた名前に私は驚きを禁じ得なかった。

なつき『栗橋・・・?』
みわ『ええ・・・さすがにあんな事があったから、自重したけどね』

《あんな事》・・・つまりはスキャンダルだ。
しかも、同じチームに所属する選手同士という非常にマズい組み合わせ。
既に二軍落ちしていた女の方はともかく、男の方も即降格となってしまった。

なつき『・・・それで?』
みわ『お相手の樟葉ちゃんは居なかったわ。あと、なっちゃんにオッ●イ押し付けられてた・・・ええと、眼鏡の彼も』
なつき『矢部だな、矢部昭雄。・・・つーか私、そんな事してた?』
みわ『彼、もの凄い事になってたわよ・・・ウフ★』
なつき『・・・』

なんてこった。
少しは自重しなければ。
3 / 12
16/24ページ