夏が終わって(なつき)

みわ『焼きうどん、お待たせ』
なつき『どうも』

早速いただく。
麺とタレが絡み合っていて、とても美味しい。
そして烏龍茶を一口飲む。

みわ『うーん、何から話そうかしら・・・』
なつき『・・・』

周りを見渡してみる。
ソファー席にテーブル席。
そして今、私が座っているカウンター席の目の前には化粧の濃いオカマが一人。
いつもの光景だ。
乗ったら確実に人には言えないような部分を痛めそうな木馬に、暇潰しに何回かやってみた古いスロットマシン。
壁に掛けられた卑猥な絵画の数々に、最近存在に気付いた鎖とロウソク。
だが、今日は一つだけ違う事がある。

みわ『学校にも、来てないのよね?』
なつき『・・・ああ』

ユリがいない。
ニ週間程、学校にも来てなかった。
体調が悪いとの事だったが、真相は私にも分からない。
教員仲間にも聞かれたが、適当に誤魔化すのが精一杯だった。
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