牛丼屋の乱闘劇(???)

美衣『食べ終わったかにゃ?』
菊川『もうちょっと待ってくれ』

味噌汁とお茶を一気に飲み干す。

菊川『よし、良いぞ・・・うおっ!?』
美衣『行くにゃ!』

一瞬の事だった。
席から立ち上がった菊川さんに素早く飛び付く。
・・・そして。

菊川『な、何っ!?』
美衣『肉球アタックだにゃ!!』
菊川『うおおお・・・!!』
??『・・・』

いつの間にか装着していた猫の手のような物で、顔をプニプニし始めた。

美衣『肉球パワーで成敗してやるにゃ!』
菊川『な、なんと・・・』
美衣『さあ、おとにゃしく降参して・・・は、離すにゃ!』

《そろそろ何とかして》と藍美さんに目で合図され、とりあえず後ろから首根っこを掴んでみる。
ジタバタと暴れ出したので、床に下ろした。

藍美『・・・貴女、所属は?』
美衣『美衣はくろくろキャットのリーダーだにゃ!』
??『くろくろキャット?』
菊川『劇団か何かか?』

床に下ろした美衣を、4人で取り囲む。
彼女のいたテーブルを見てみると、超特盛の牛丼が綺麗に平らげられていた。

美衣『ち、違うにゃ!正義の味方だにゃ!!』
藍美『正義の味方、ねぇ・・・』
??『ねえ、藍美さん』
藍美『聞きたい事が幾つかあるから、とりあえず場所を変えて・・・何?』
??『この娘・・・結構好みかも』
美衣『にゃ!?』

美衣の身体がビクンと跳ね上がる。
私と菊川さんは、思わず苦笑した。

美衣『だ、だって・・・あにゃたは女の子・・・』
??『うん・・・でも私、ソッチだから』
美衣『そ、そんにゃ!美衣は・・・美衣は・・・』

涙目になってガタガタ震えている。
流石にちょっと可哀想だ。

??『大丈夫だから・・・ね?』
美衣『じょ、冗談抜きでヤバいにゃー!!』
藍美『あーあ・・・帰ろっか』
菊川『支払いは?』
藍美『よろしく♪』

溜め息を付き、財布を取り出そうとする菊川さん。
その時だった。

??『彼女を離しなさい!!』

勢いよく入口が開けられ、一人の女性が姿を現した。
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