cyan(菊川)

リナ『うー・・・頭痛い』
菊川『はい』

廊下の自販機で買ってきた、ペットボトルのミネラルウォーターを差し出す。
オレと藤乃なつきが戻ってくるまでの間にも、結構飲んでいたらしい。

リナ『ありがと・・・。帰って寝てるわね』
菊川『うん』

飲み終わったボトルを受け取り、部屋のゴミ箱に捨てた。
テレビを付けてみる。
朝のスポーツニュースをやっていた。

『そしてワンアウトランナー1塁2塁でバッターは今日2併殺のこの人!』

ピンク色の髪をした女子アナの声に合わせて、画面に自分の姿が映る。

『ああっと!またもダブルプレー!!結局この後も再三のチャンスを生かしきれず・・・』
菊川『・・・』
リナ『・・・変なウイルスにでも感染してんじゃない?』

服を着ながら冷たい視線を向けてくる。
この後は自分の打席の前で試合が終わったので、今回も日本記録更新は無かった。

菊川『併殺菌?』

ヒーローインタビューを受けている伊勢崎の姿が映っている。
一応、留守電は入れたらしいが大丈夫だろうか。

リナ『・・・感染どころか、実はウイルスの親玉だったりして』
菊川『だったらリナも確実に感染したんじゃない?』

一瞬《え、どういう事?》といった表情になったが、すぐに意味を察したのか睨んできた。
そしてこちらに向かってくる。

菊川『うお・・・』
リナ『このっ!・・・って、力が・・・入らない』

腕を取り、背負い投げをしようとしたが二日酔いのせいか身体が動かないらしい。
そのまま一緒に崩れ、背中から覆い被さるような形になる。

リナ『尚志・・・重い・・・って、バカ!!』



結局この後、もう一度シャワーを浴び直すはめになってしまった。
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