cyan(菊川)

なつき『逃げたな・・・』
リナ『逃げたわね・・・』

オカマ店長が逃げたので、現在この店にいる店員はセーラー服を着た女子高生一人。
時間が時間だけに、決して褒められる状況ではない。

ユリ『すみません・・・』
菊川『とりあえず、どうするか考えないと・・・』

伊勢崎以外に湯野上(兄)もダウンしており、しばらく動けそうにない。
リナと飲みに来ただけなのに、どうしてこうなったのだろうか。

舞佳『球団の方に迎えに来てもらうというのは・・・?』
なつき『うーん・・・今の時間だと繋がるか微妙だな・・・あれ、そういえば』
舞佳『あ、ご無沙汰してます。兄が・・・』
なつき『あ、ああ・・・』

この2人も知り合いらしい。
ソファーで寝てる湯野上へと視線が移る。

湯野上『絵久ちゃ~ん・・・そこはダメェ・・・ムニャムニャ』
なつき『・・・』
舞佳『・・・』

微妙な空気の中、作戦会議が始まった。
店員のユリが5人分の烏龍茶を持って来る。

リナ『ありがと。あと、念の為入口施錠できる?』
ユリ『あ、はい』
なつき『さてと・・・』
菊川『朝まで待つか、何処かに運ぶか・・・』
リナ『運ぶって何処によ?』
菊川『元あった場所?』
リナ『・・・真面目に考えなさいよッ!』

多少酒が入っているのか、リナが馬乗りになってきた。
そのまま顔を両手で圧迫してくる。

菊川『もががが・・・』
舞佳『あの、どうか落ち着いて・・・』
なつき『元あった場所・・・そうか!』

藤乃なつきが手をポンと叩く。
その音を合図に圧迫から解放された。
(口紅を落とそうと)伊勢崎の顔を拭いていたユリも、一旦こちらに向き直る。

リナ『何かあるの、なつき?』
なつき『ああ』
リナ『・・・って、やだ!何考えてるのよ!!』
菊川『痛ッ!・・・いつまでも乗ってるからだ』

零距離からビンタされた。
本気ではないと思うが、それでも結構痛い。

舞佳『ああ・・・』
ユリ『大変ですねー・・・』
なつき『ごちそうさま』
リナ『・・・で、なつき。アイデアって?』

今度は後ろ向きになって、オレの上に座る。
意外に重い。
しかもお尻が当たって色々とヤバイ。

菊川『・・・』
なつき『ああ、実はな・・・』
リナ『うん・・・』
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