cyan(菊川)

舞佳『妹の水着姿をネットに載せるなんてありえないですよっ!』
リナ『水着?』
舞佳『ハワイで兄の自主トレに付き合ったんですけど、その時に・・・あー、ホントありえない!』
菊川『・・・』

ダウンした湯野上は、空いているソファ席に移した。
ところが今度は妹の舞佳が悪酔いして、兄の愚痴を次々と言い始めている始末だ。

ユリ『すみません、グラス変えるべきでした・・・。ところで舞佳さん、水着ってどんなのですか?』
舞佳『どんなのって、まあ普通のビキニですけど・・・』
ユリ『まだ画像ありますか?今度、友達と屋内プール行くんで参考にしたいかなって・・・』
舞佳『ブログのはすぐに削除させましたけど、私の名前で検索すれば沢山出てくるみたいですよ・・・すみませーん、もう一杯』

かなりのペースで飲んでいる。
アルコールに弱い兄とは対称的だ。

みわ『あらら、大丈夫なの?』
舞佳『私、酔いがすぐに醒める体質なんです。・・・っていうか、飲まないとやってられないですよ!リーグの人にも怒られるし・・・ああ、ホント最悪!!』
菊川『・・・』
舞佳『ファンの人もファンの人ですよ!《水着似合ってましたよ~》とか面と向かって言われても、どうリアクションすれば良いか分かんないつーの!!』
リナ『・・・』
舞佳『アイツ絶対変な事に使ってるよ・・・あーヤダヤダ!すみませーん、もう一杯!!』

他に客がいないのが幸いだ。
その時、ソファーで寝ていた女性客が起きてきた。

??『うーん・・・』
ユリ『あ、先生』

一旦伸びをしてからソファーに座り直した。
髪がボサボサで寝癖がついている。
隣に座っているリナが、その姿を見て表情を変えた。

リナ『・・・なつき?』
なつき『あれ、リナ・・・?来てたんだ』
ユリ『どうぞ』
なつき『サンキュ』

グラスに注がれた烏龍茶を一気に飲み干した。
スーツ姿だが、上着のボタンは全て外れている。

リナ『なつき、一人なの?』
なつき『いや、さっきまで何人かいたんだけど・・・もう帰った?』
ユリ『はい・・・あれ?』

突然、考え込むような仕草を見せた。
指を折って、何かを数えている。

みわ『ユリちゃん、お願ーい!』
ユリ『ひぃーふぅーみぃー・・・あ、はーい!』
舞佳『どう思います、菊川さん?』
菊川『えっと・・・』

湯野上の妹が絡んできた。
さすがにこんな姿をブログに載せてはいけないと思う。

舞佳『マイちゃんの水着姿見てたらムラムラしてきちゃったから、早速絵久ちゃんと・・・って、変態かっつーの!!』
菊川『・・・』
リナ『ほら、ボタン閉めて』
なつき『へいへい・・・』

兄がダウンしているのが不幸中の幸いだ。
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