cyan(菊川)

菊川『悪い、待った?』
リナ『ううん、今来たとこ・・・な訳無いでしょ』

一件のファミレスを指さした。
24時間営業のドリンクバーで時間を潰していたらしい。

菊川『ごめん、ミーティングが長引いちゃって』
リナ『あんな負け方じゃあね』
菊川『・・・』
リナ『で、何処にするの?そこの居酒屋でも構わないけど』
菊川『それなんだけど、前にオレが行った店で良い?』
リナ『任せるわ』

珍しく、リナの方から誘われた。
何となく飲みたい気分らしい。

リナ『この辺にいる知り合いみんなダメみたいで、そしたら尚志のチーム今日ここだったの思い出して』
菊川『・・・』

複雑な気分のまま、止まっているタクシーの一台に乗り込んだ。
運転手に目的地を告げる。

リナ『あれ?その店って・・・』
菊川『前にチームの人と行ったんだ。穴場みたいな所だけど、なかなか良い店で』
リナ『そう・・・』

さすがに他球団の選手、しかも女子選手と行ったと言うのは気がひける。
同じチームの六道聖ならまだしも、今年入ったばかりのルーキーと一緒というのは幾ら何でも不自然だろう。
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