cyan(菊川)

藍美『・・・いきなり切らなくても良いでしょ?』
菊川『電波の調子が悪かったみたいだ』
藍美『じゃあ、次会う時で良い?』
菊川『何が?』
藍美『夕飯そんな高い店じゃなくて良いから、その分ブランド物の服か何か買ってよ』
菊川『・・・』
藍美『昼間の方が良かったら、それでも構わないけど。休憩って、2時間だっけ?』
菊川『・・・そんなにブランド物が欲しいんだったら、メガネでも誘ってみれば?』

間違いなく飛び付くだろう。
賭けても良い。

藍美『それはヤダ。絶対にありえない』
菊川『新作の秋物と引き換えでも?』
藍美『・・・無理』

少し間があった。
何と物欲にまみれた女なのだろう。

藍美『っていうかさー、アイツ未だに連絡取れないんだもん。リーダーも困ってたよ』
菊川『前に会った時、そんな事言ってたな』

別にわざわざ連絡取りたくもないが。

藍美『楠葉も心配してたよ。・・・良い娘だよね、彼女。何回もセクハラされてるのに』
菊川『・・・そうだな』
藍美『例の店については、手配しておくわね』
菊川『ああ、頼む』
藍美『じゃあね、おやすみ』

電話は切れた。
メール受信を知らせる画面が表示される。

菊川『・・・』

萱島から《お疲れ様です。菊川さん今日はありがとうございました。おやすみなさいo(^-^)o》と来ていた。
適当に返信した後リナにもメールをしたら、意外にもすぐに《分かった。おやすみ》と返事が来た。
携帯電話のアラームをセットし、眠りについた。
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