cyan(菊川)

携帯電話を開く。
メールが数件と、着信が一件入っていた。
着信の方は、今年からメジャーでプレーしている同じ外野手の先輩からだった。
後で連絡しよう。

藍美『そうだ、今の内に良い事教えてあげる』
菊川『良い事?』
藍美『うん』

萱島のいるゲージを確認してから、近くに寄ってきた。
数件のメールは、予想通りいずれもリーダーからだった。
泣き顔の絵文字や顔文字が多数ちりばめられており、タイトルは『迷いました(:_;)』『ここドコですか(T-T)』等々。
おそらく、藍美の携帯にも同じのが来ているだろう。
呆れながらも少し微笑ましく思ってしまった、次の瞬間だった。

藍美『実はね、あの娘・・・』
菊川『・・・!』

藍美から発せられた言葉を聞いた途端、全身の毛が逆立つような感じがした。
これからリーダーに、そして後で先輩に電話する事も・・・全て、吹き飛んでしまった。
ちょうどその時、額に汗を浮かべながら萱島が戻ってきた。

藍美『お、ちょうど良い所に戻ってきた。ねえねえ楠葉~』
萱島『?』
藍美『実はこの人ねえ・・・』
菊川『・・・!よ、止せっ!!』
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