財閥の娘(栗橋)

矢部『ごちそうさまでやんす。満足してスッキリしたついでに良い事思いついたでやんす』
西条『円~・・・上に羽織るセーターとか無い?あ、わっちゃん!今、見てたでしょ?』
栗橋『み、見てない見てない!』

確かにその色では、濡れてなくても目立つだろう。
ブラウスの生地が薄いのは、店長の趣味もあるのかもしれない。

西条『本当かな~?』
矢部『栗橋君もスッキリするでやんすよ』
城咲『・・・あーのーさー!!あんまりスッキリスッキリ言わないでくれる?あと美月、いい加減離れて』
西条『ぶ~・・・』
矢部『ちゃんと手は洗ってきたでやんす』
城咲『・・・そういう問題じゃない!』
栗橋『で、矢部君。良い事って?』
矢部『その前に確かめておきたいでやんす。お二人は何処かの球団に入りたいでやんすか?』

矢部君が真剣な顔付きになった。
眼鏡も凛々しい形に変わっている。

西条『球団?』
城咲『野球の?』
矢部『やんす。オイラ達のいるキャットハンズやバルカンズとかでやんす』
西条『あ・・・うん!それはもう』

去年のドラフトでは、萱島さんだけでなく西条さんも指名される可能性があったらしい。
結果、指名されたのは萱島さんだけだった。

城咲『・・・そうね、私も美月と一緒』
矢部『確認したでやんす。では、オイラの考えを発表するでやんす・・・』
11 / 13
27/47ページ