財閥の娘(栗橋)

矢部『着いたでやんす』
栗橋『あれ・・・ここ?』
矢部『やんす。間違いないでやんす』

ネットにあった通り、いかにもアメリカといった感じの店構え。
しかし、この店構えには見覚えがあった。

矢部『入るでやんす』
栗橋『う、うん・・・』

以前、萱島さんと行った店だった。
萱島さんと行ったあの後、ちょっとした騒動があったのでそれから一回も行っていない。

矢部『やんすー』
店長『オー、イラッシャーイ!』

ドアを開け、中に入る。
外国人の店長が以前と同じ挨拶で出迎えてくれた後、こちらを見てニヤリと笑った。

店長『ユータチ、キョウハラッキーネ』
矢部『・・・ってことはでやんす?』
店長『ホラ、オキャクサンダヨ。オヒヤトオシボリ、モッテイキナサイ』
??『はーい』

厨房の奥から女の子の声が聞こえた。

矢部『感動の御対面でやんす』
栗橋『う、うん・・・』

矢部君が厨房の方を凝視している。
あれだけネットで持ち上げられていると、つい気になってしまう。

??『いらっしゃいませ。本日はご来店いただき・・・』
矢部『こ、これはまたエクセレントでやんすー!』
??『え・・・あはは・・・』

水の入ったグラスを持って現れたのは、青い髪の女性だった。
オレ達と同年代位に見える。
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