財閥の娘(栗橋)

みずき『トラブルがあったって聞いたけど、最近は大丈夫なの?』
ユリ『はい・・・何とか』
矢部『ガンダーボムでやんす!』
栗橋『うわっ!』

次々と氷を投げつけてくる。

みずき『シーズン終わったら何人かで行くからね』
ユリ『あ、ありがとうございます。でしたら・・・』
みずき『大丈夫よ。年パス沢山買いまくって知り合いに配るから』
ユリ『で、でも・・・』
栗橋『・・・』

セレブなオーラが(一部分だけ)漂っていた。

矢部『ガンダーバルカンでやんす!』
栗橋『や、矢部君!』
萱島『キャッ!服の中入りましたよ、矢部先輩!!』
みずき『子供は遠慮しないの。・・・そこの庶民達、ちょっと静かにしてくれないかしら?私は今この娘と大事なお話をしてるのよ、オホホホ・・・』

みずき先輩がわざとらしく高飛車なポーズを取る。
考えてみれば、三国さん以外は全員酒が入っている状況だ。

ユリ『えへへへ・・・』
萱島『あー!みずき先輩まで酷いです!!』
矢部『見損なったでやんす!』
みずき『何とでも言いなさい、下々の者達よ。・・・セレブ同士仲良くしましょうね、ユーリちゃん』
ユリ『あ・・・はい!』

心の底から嬉しそうな三国さん。
野球をやってる女の子にとって、みずき先輩は憧れの存在に違いない。

萱島『あー!ユリちゃんまで!!』
みずき『オホホホホ・・・』
矢部『この前ガンダーラーメン食べていたでやんす!』
みずき『何か問題でも?フタは洗って置いといたでしょ?』
矢部『カップラーメン食べる人はセレブじゃないって、言っていたでやんす!』

萱島さんをビシッと指す矢部君。
眼鏡が凛々しい形になっている。

みずき『・・・くーすーはー?』
栗橋『あ・・・』

一方のみずき先輩は、三国さんを抱き寄せた状態のまま固まっていた。
ワナワナと震えながら萱島さんの方を向く。
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