出会いと再会(なつき)

なつき『だいぶ遅くなっちまったな・・・』
ユリ『そうですね・・・』

カムフラージュ用の大きめTシャツを羽織ったユリと夜道を歩く。
この辺どころか、東京の電車すら動いていないような時間帯だ。

なつき『今日はもう遅いから泊まっていけ』
ユリ『すみません・・・御言葉に甘えさせていただきます』

あの後・・・色々あった。
そのせいで、こんな非常識な時間になってしまった。

なつき『・・・ユリ』
ユリ『何でしょう?』
なつき『相当疲れてるだろ』
ユリ『分かります?』
なつき『ああ』

いつもなら、《え~!?でもぉ、心の準備がぁ・・・》などと薄気味悪いリアクションをしているユリに私が渾身のツッコミを入れる・・・というのが黄金(?)パターンなのだが、そんな余裕すらないようだった。

ユリ『あの時以来ですね・・・』
なつき『こんなに疲れたのはな・・・』

意外な人物と、あまり行きたくない所へ行くハメにもなった。
本当に、アレで大丈夫なのだろうか?

ユリ『ふわぁ・・・』
なつき『眠い・・・』



そしてその数ヶ月後・・・再びその場所に行く事になるとは、この時の私には知るよしも無かった。
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