出会いと再会(なつき)

なつき『いやー、食った食った・・・』
遥『美味かったねー』
都城『ご馳走様でした』

焼肉店を後にした私達3人は、駅前のビジネスホテルを目指して歩いていた。
明日まで一緒に見てもらう事になっている。

なつき『明日はどうする?何か食べたい物とかあったら・・・』
遥『うーん・・・出水は?』
都城『そうですね・・・せっかくこっちに来たので、一度ビーグル行ってみたいです』

B級グルメミュージアム、略してビーグル。
電車で20分位の所にあるフードテーマパークで、日本中のB級グルメが食べられるというが売りだ。

遥『お、良いねぇ。でも、なつきはしょっちゅう行ってるんじゃない?』
なつき『いや、一回しか行った事無いな』
都城『あれ、そうなんですか?』
なつき『飯食うのに金かかるのに、さらに入場料払うなんてアホらしくない?』

そこまで言うと、二人の表情が変わった。
遥が財布の中から小さな紙を見せてくる。

遥『ほら・・・これ』
なつき『招待券?なんだ、あるなら言ってくれよ』

中の食べ物も、少し高めなので入場料タダはとても有難い。

都城『え?・・・で、でも』
なつき『どうした?』
遥『これ、部室の引き出しに入ってたよ?』
なつき『部室?』
都城『はい。ユリちゃんが・・・』

ユリが?
いまいち話が飲み込めない。

遥『うん。みんな結構行ってるらしいよ』
都城『はい。宗太郎なんかもう10回以上も・・・』
なつき『・・・』

二の句が告げない。
ユリを尋問してやろうかと思ったが、逆に喜ばれそうなので止めた。
8 / 9
17/24ページ