一旦、休憩の時間になった。

？？『お疲れ様ですー』
遥『お疲れ』
なつき『お疲れー、助かったよ』

先程まで練習を見ていた、髪の長い女性が近くにきた。
彼女は都城出水(みやこのじょういずみ)。
遥と同じ女子リーグに所属する選手で、学年は私達より一つ下だ。
代表チームで会った事もあり、確かライトを守っていた。

都城『いえ、お力になれたのなら嬉しいです』

タオルで汗を拭きながら答える。
走攻守バランス良く揃っており、遥と並んでチームの中心選手らしい。
クーラーボックスから、スポーツドリンクを渡す。

都城『いただきます・・・ゴク・・・ゴク・・・キャッ！』
『あ、すみませーん』

都城の背中にボールがぶつかった。
部員達がキャッチボールしていて、すっぽ抜けたらしい。

なつき『練習熱心なのは良いが、場所を考えろ』
都城『ううん、大丈夫。今度はもっと・・・じゃなくて、気をつけてね』
『あ、はい。すみませんでしたっ！』
なつき『・・・？』

部員の頭を優しく撫で、ボールを返した。
それにしても今、何か変な事を口走っていたような気がする。

？？『あっちゃー・・・出ちゃったか、例のクセ』
なつき『クセ？』
遥『確か、延岡君と出水はイトコ同士なんだっけ？』
延岡『はい』
遥『じゃあ知ってるんだ？』
延岡『ええ。それが原因で、今までに何回か・・・』

延岡宗太郎(のべおかそうたろう)。
ユリの一年後輩でポジションはライトかレフト、もしくはファースト。
あかつきや帝王といった名門校に誘われる程の選手だったが、恋恋高校に入学。
早川あおいのファンで、彼女にデッドボールを喰らうのが夢らしい。
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