出会いと再会(なつき)

遥『今度、見学しに行って良い?』
なつき『高校?』
遥『うん』
なつき『だったら、臨時コーチで来てくれない?夕飯位は奢るから』

前にリナと話してた時の事を思い出した。
大会を前に、良い刺激になるかもしれない。

遥『そうね、来週の平日だったら少し空くけど・・・』
なつき『放課後に何日かお願いできる?校長にも話してみるから』
遥『うん、分かった。もう一人、外野手の娘も連れてきて良い?一つ下なんだけど』
なつき『ああ、よろしく伝えといて』

一つ下という事は、バルカンズの六道聖と同じ学年だ。
もしかしたら、私とも面識があるかもしれない。

遥『それじゃあ、また明日連絡するね。おやすみー』
なつき『ああ、おやすみ・・・』

電話は切れた。
扇風機の羽の音だけが、散らかった部屋に響く。

なつき『・・・』

遅い時間だというのに蒸し暑い。
私は服を脱ぎ捨て、風呂場へと向かった。
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