出会いと再会(なつき)

ユリ『こういう時は肉弾戦ですよ、肉弾戦!』

ユリが両手の拳を握る。
親御さんと私が、拳と拳とで語り合うってか?
・・・さすがにそれはマズイ。
そんな事が許されるのは、ドラマやマンガの中だけだろう。

ユリ『違いますよ。生徒の方です』
なつき『生徒?野球部の?』
ユリ『はい。まずは、そんな感じでかる~く誘惑します』

ユリが私の胸元を指差す。
ボタンを緩めたせいで、少々はしたない格好になっている。
慌てて、手で覆い隠した。

ユリ『ああ!もっと見た・・・じゃなくて、大方の健全な男子高校生なら間違いなくそれでイチコロです』
なつき『・・・』
ユリ『後は放課後、先生の家に呼べば一件落着です』
なつき『・・・』
みわ『カラダとカラダで語り合うのね、素晴らしいわ!』

変態の意見に変態が賛同する。
一件落着どころか、一大スキャンダルだ。
《生徒を弄ぶ変態女教師、彼女は元プロ野球選手!?》
という週刊誌の見出しまで浮かんでしまった。

ユリ『先生を取られるのは悔しいけど、野球部の平和と発展の為に・・・ユリは、涙を飲んで耐え忍びます!』
みわ『その意気よ、ユリちゃん!素敵だわっ!!』

変態二人が手を握り合い涙を流している。
頭が痛くなってきた。
・・・さすがに明日からは少し控えるかな、と思った。
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