それから１週間程経ったある日の事。
スマホの着信ディスプレイには《本西 遥》と表示されている。

翡翠『お疲れ様です』
遥『お疲れー。美月と円、一緒じゃない？』
翡翠『いえ、私一人ですけど・・・』
遥『キャットハンズのクラブハウスに挨拶に行くって言ってたけど、何も聞いてない？』
翡翠『挨拶ですか？初耳ですね』

しばらく寮を留守にしていたので、その間に決まったのだろう。
この１週間・・・アリスの復帰戦を観に行ったり、そのアリスからアサギらしい人が見つかったと聞いて会いに行ったりとそれなりに忙しい日々だった。
私達の事を覚えていないようだったが、間違いなく彼女だった。
無理に思い出させようとすると負担をかけてしまう危険もあるので、少し間隔を開ける事にした。

遥『樟葉・・・あんな事になったでしょう？とても試合で投げられる状態じゃないらしいし』
翡翠『らしいですね。その・・・』

萱島さんが初回で炎上してしまった時は、私達女子リーグの選手がキャットハンズの練習に参加していた。
そう考えると、先日のスキャンダルの発端は・・・

遥『考え過ぎよ。それより、今何処にいるの？』
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