広い道路から脇道に入る。
もう少し歩けば、飲み会の会場に着く。
口を開こうとした、その時だった。

都城『足、引きずっているわね』
翡翠『そうですね・・・あれ？』
天草『あの人って、確か・・・』

男の人が一人、こちらに向かって歩いてきた。
その顔に見覚えがある。

？？『くそっ、アイツら・・・ああ、キミか』
翡翠『菊川さん？』

菊川尚志(きくかわたかし)。
去年までパワフルズ、そして今年からはバルカンズに所属している。

菊川『あれ以来か。そしてキミ達は、確か・・・』
天草『女子リーグの天草未久です。その・・・』
都城『同じく女子リーグの都城出水です。えっと・・・何かあったんですか？』

首位打者を獲った事もあり、知名度は高い。
球団社長とソリが合わなくなったか何かで放出されたらしいが、複数の球団から獲得の打診があったと新聞に載っていた。

菊川『ちょっと・・・な。アマゾネスの村に迷い込んで、このザマだ』
翡翠『アマ・・・ゾネス？』

逞しい体躯の野性味溢れる女性達が、ジャングルで自給自足の生活を送る。
世間一般的なアマゾネスの認識と言えばそんな物だろう。
実在するのかは知らないが。
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