フォーム改造(ヒスイ)

紀三井寺『女だって舐められないように頑張ったつもりなんだけどな~・・・』
翡翠『・・・』

むしろ、その雰囲気のせいなんじゃないかと思ったが黙っておいた。

紀三井寺『だから、徹底的に内角攻めするのもアリなのかな~って』
翡翠『あ・・・すみませんでした』
紀三井寺『ん、何が?』
翡翠『今日の試合です』

デッドボールこそ無かったものの、かなりスレスレの所に行ってしまったボールが数球あった。
遥さんの言う通り、もう少し精度を上げる必要があるだろう。

紀三井寺『ああ・・・大丈夫だって、別に。一応コッチの監督だからあまり大っぴらには言えないけど、当てさえしなければ良いんじゃないのかな?』
翡翠『うーん・・・』
紀三井寺『男の人とも対戦するんだったら、喧嘩する位に強気な方が良いのかなーって。・・・私はほとんど出来なかったけど』
翡翠『喧嘩・・・』

《喧嘩》なら負けないと思う。
男の人が相手でも、多分。

紀三井寺『そう、喧嘩。今度会ったら~、ジャブ連打・・・そしてストレート!』
翡翠『・・・』
紀三井寺『後は・・・そうだ!今度、美月ちゃんにプロレス技を・・・』

相変わらず、円さんと一緒に観に行ってるらしい。
私も何度か誘われたが、あれ以来観に行く気がしないので断った。

翡翠『・・・喧嘩したい相手でもいるんですか?』
紀三井寺『喧嘩って程でもないんだけど・・・ちょっとデキの悪い後輩がね~』
翡翠『大学ですか?』
紀三井寺『ううん、高校。何か、裏で色々してるみたいで・・・』

私はもちろん行っていないが、大学によっては上下関係が大変らしい。
理不尽な話を聞く度に、自分には向いてないと感じる。
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