フォーム改造(ヒスイ)

??『うーん・・・わわっ!?』
翡翠『おっと』

遥さんと別れた後、今度は前から歩いてきた人とぶつかりそうになってしまった。
咄嗟に抱き止める。

??『うわぁ、ぽわぽわだ~』
翡翠『ちょっとカナさん、ちゃんと前見て歩かないと危ないですよ?』
紀三井寺『ごめ~ん・・・それにしても凄いねぇ、ソレ』
翡翠『何か、お悩みですか?胸の事以外でしたら相談に乗りますけど・・・』

この人は、紀三井寺奏(きみいでらかなえ)さん。
《紫》の監督なので紀三井寺監督と呼ぶのが正しいとは思うが、そう呼んでいる人はほとんどいない。

紀三井寺『やっぱり大学時代、彼氏作んなかったのが悪いのかなぁ・・・って、違うから!』
翡翠『・・・』
紀三井寺『第一・・・瞳ちゃんはそこまで大きくないし、私だってそんなに小さい訳じゃないよ?』
翡翠『知ってます』

六大学のアイドル投手として、同世代の早川あおいさんと人気を二分していたらしい。
去年行われた始球式では、あおいさんが投手でカナさんが捕手役を務めていた。
華麗なフォームから繰り出された独特のシンカー(マリンボールと呼ばれている物らしい)を難なくキャッチし、球場を大いに沸かせていたのも記憶に新しい。
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