フォーム改造(ヒスイ)

アサギ『仕方ない・・・奥の手を使うわ』
ヒスイ『奥の手?』
アサギ『今だ・・・それっ!』

アサギが素早く私の方へ向き直った。
・・・そして。

ヒスイ『・・・キャッ!?ちょ、ちょっと!!』

私の胸を揉み始めた。

アサギ『どうだ・・・羨ましいだろう、お前ら!』
ヒスイ『ああっ・・・』

あまりにも展開が急過ぎて、思考が追い付かない。
これでは二人仲良く格好の的だ。
・・・と、思いきや。

『う、動けん・・・』
『おのれ、卑怯な・・・』
ヒスイ『・・・』

敵兵士の方々が、大変な事になってしまっていた。

アサギ『おーし、効果てきめ・・・ん?』
『か、覚悟・・・』
アサギ『てやっ!』
『グハッ!お、折れたぁぁぁぁ・・・!!』
ヒスイ『・・・』

それでも何とか近付いてきた敵兵士もいたが・・・哀れ、股間への後ろ蹴りをモロに喰らってしまっていた。

『ぁぁ・・・ぁぁぁ・・・!』
『だ、大丈夫か?貴様・・・何て事を!』
ヒスイ『・・・』

本当に、何て事だろう。

アサギ『おお、みんな健全だねぇ・・・では、もう一丁』
ヒスイ『ちょっ・・・やめ・・・!』

自分一人だけ、明らかに貧乏クジを引いているような気がする。

『うおおお・・・クソ・・・こうなったら・・・』
アサギ『こうなったら?』
『・・・彼女に会う!』
『あ・・・待て!』
ヒスイ『・・・』

一人の兵士がぎごちない早歩きでその場を離れた。

『オ、オレも・・・って、離せ!』
『オマエ・・・彼女いないって言ってなかったか?』
『さあ?知らんな・・・グホッ!』
ヒスイ『・・・』

敵兵士は敵兵士で色々あるらしい。
ほんの少しだけ親しみを覚えてしまったその時、何者かに足元を掴まれた。

ヒスイ『・・・!』
『あ、あの・・・』

先ほど私が倒した兵士だった。

ヒスイ『・・・な、なに?』
『何でも言う事聞きますから、少しだけその胸を・・・グハッ!』

掴まれていない方の足で、踏み潰した。

『こ、これはこれで・・・バタッ』
ヒスイ『・・・』
『何しやがる!』
『この嘘つき野郎!』
『よせ、お前ら!』

恍惚の表情で、足元に突っ伏す敵兵士。
一方では取っ組み合いの喧嘩が始まってしまい、他の敵兵士が仲裁していた。
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