フォーム改造(ヒスイ)

翡翠『お疲れ様です・・・』

寮に帰ってきた。
何だか肉体的にも精神的にも疲れてしまった。

遥『おかえり、翡翠』
??『お疲れ様です・・・うーん、ダメですね』
遥『立て込んでいるのかもね。また明日にしましょう、イル』
??『はい・・・』

食堂には二人の女性がいた。
ショートボブの方は本西遥(もとにしはるか)さん。
豊富な経験と粘り強さを持つピッチャーで、チームのまとめ役的な存在だ。

翡翠『メールも無かった?』
??『はい・・・』

心配そうに俯いている。
髪の長い彼女は田崎羽入(たざきはいる)。通称イル。
外野手で、私や遥さんよりも少し小柄だが高い技術と抜群の野球センスを持っている。
イルは私や遥さん、美月さんや円さんの《青》ではなく《紫》所属だが、食堂や大浴場は共同になっている。

翡翠『少し間隔空けた方が良いんじゃない?』
田崎『・・・』

イルの表情は冴えない。
同じチームだったという事もあり、余計に心配なのだろう。

遥『そうね、色々ナイーブになってるのかもしれないし・・・』
田崎『はい・・・』

仕方なく、といった感じで携帯を畳む。
食堂の空いてる椅子に腰かけた。
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