魔宮へ(なつき)

遥『教え子に迫られたりとかしてんじゃないの?』
なつき『う・・・』

私の脳裏に一人の女子部員の姿が浮かぶ。
思わずげんなりしてしまった。

遥『あー、やっぱりあるんだ?そういう事』
なつき『い、いや・・・その・・・』

返答に詰まってしまう。
ちなみにユリには、遥の事は話していない。
『紹介して下さい!』と目をキラキラ輝かせるユリの姿が脳裏に浮かび、私はますますげんなりした。
わざわざ数少ない友人を毒牙にかけ、信頼を失うような真似をしたくはない。

遥『そうよねー。アンタの胸、デカイんだもん。服着てても目立つし』

ああ・・・そっちか。
酒が回っているのか、遥はエロオヤジみたいな事を言う。

遥『思春期の男子高校生にはキッツイよねー、それ』

遥は止まらない。
まあ確かに男子部員も、時々私の胸をじっと見てる事があるが、こちらが見つめ返すとすぐに目線を逸らせてしまう。

遥『PTAとかに、何だその胸は!不健全極まりなーい!!とか言われたりしないの?』
なつき『しないって・・・』

まあ、違う事で多少目を付けられてはいるが。

遥『あ、もうこんな時間だ。じゃあ、もう寝るね』
なつき『うん、おやすみ・・・』
遥『おやすみ、なつき。あ、たまにはブログにコメントしてね』
なつき『うん・・・』

電話は切れた。
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