なつき『・・・』
遥『・・・』

二人して黙ってしまう。
私達位の年齢になると、プロ野球で活躍してる人も多くなる。
キャットハンズ在籍時にお世話になった橘みずきさんの他にも、カイザースの４番友沢亮、パワフルズの先発館西勉・・・
既にチームの顔ともいうべき存在になってきている。

私達位の年齢で入団した場合、一年目から即戦力としての活躍が求められるだろう。
もちろん、それは容易な事では無い。

遥『私の場合、スピードがねー・・・』
なつき『うーん・・・』

女子リーグでの遥は、コントロールの良さと粘り強い投球で勝ち星を量産している。
早川あおいさんや橘みずきさんみたく、変則的な投げ方や強力な決め球がある訳でも無い。

今年指名されるであろう一人は、140Kmを記録した事もある速球に抜群のフォーク、さらにチェンジアップを持つ。
多少不安定な所もあるが、今までに無いタイプの女子選手として期待されている。

もう一人は、数種類の変化球と微妙に動く直球で打たせて取るピッチングを得意とする。
それでも、直球の球速は130Km台中盤は出ていたと思う。
こちらは、安定感があり大崩れしないタイプだ。

いくら遥のコントロールが良いとはいっても、120後半の直球とそこそこの変化球では狙い打ちされてしまうだろう。
そして二人とも、(自分達と比べると)若い。
若い＝伸びしろがある、という事だ。

遥『なつきの方は最近どうなのよ？』なつき『私？』

話題を変える事にしたようだ。

遥『監督、しっかりやってんの？』
なつき『うーん、どうかな～・・・』

そういえば今日も、二日酔いで寝てたような気がする。
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