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Natsuki Fujino
5人目の女子選手
ユリが持ってきた、女子リーグオフィシャルイヤーブックのページをめくってみる。
リーグに所属している選手の紹介が載っていた。
何人かの選手のページには、直筆のサインが書かれている。

ユリ『ここ見て下さい。この人、凄く格好良いんですよー』
なつき『城咲・・・円？』

・・・遥じゃなくて良かった。

バッターボックスで構えている写真が大きく載っており、下の方に彼女の簡単なプロフィールがあった。
聖タチバナ・・・みずきさんの後輩か。
細身だが、なかなかしっかりしたフォームだ。
写真の上には直筆のサインも入っている。

ユリ『女の私でも、惚れちゃいそうなくらいです』
なつき『・・・』

オマエは女にしか惚れないだろうに。

ユリ『あ、いらっしゃいませ～』

数名の客が来た。
ユリがテーブル席に案内する。

ユリ『ご注文がお決まりになりましたら、お知らせ下さい』

頭を下げ、カウンターへ戻っていく。
本をめくり、遥のページを探してみる。
すぐに見つかった。
サインも書かれている。

みわ『お待たせ～★』

遥がサインしている光景を想像してみた。
試合後のファンサービスも、率先して行っているらしい。
一度は観に行ってみようかな、と思った。

ユリ『あ、はーい。お伺いしまーす』

さらにページをめくってみる。
主力選手へのインタビューや選手同士での対談の他にも、選手の私服姿を特集したコーナー等もあって、なかなか読みごたえがあった。

ユリ『ご注文は以上でよろしかったでしょうか？それでは、ごゆっくりどうぞ』

ここ最近、ユリはバイトに入る日を前よりも減らしている。
秋に女子リーグのトライアウトがあり、練習時間を増やす為だ。
私もこの店は好きだが、基本的にユリがバイトしている日にしか行かない。
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