5人目の女子選手(なつき)

みわ『もうそんな季節なのね・・・』

オカマ店長も頬を染め、懐かしがる。
彼(彼女?)も高校時代に野球をやっていたらしく、三人で野球の話に興じる事もある。

なつき『ユリは、誰か目に付いた子とかいる?』
ユリ『そうですね・・・やっぱり、アダチさんですね』

椅子を整えながら、ユリが答えた。
・・・アダチ?ポジションはどこ希望だったっけ?
思わず考えてしまう。

ユリ『もー、ほんっとに可愛いんですよー!今日の部活の時も、上目遣いで私の事をじーっと見てくるんですよー・・・』

ユリは全身から喜びのオーラを出して悶えている。
そういえば、今年入った部員で足達という苗字の一年がいた。
・・・マネージャーで。

ユリ『食べちゃいたいくらい★』
なつき『・・・』

・・・シャレになってない。
さっきのウミちゃん(年齢不詳)の話といい、またそのパターンか。

なつき『じゃ、なくて!選手の方よ、選手!』
ユリ『え~・・・』

ぶーたれている。
いたいけなマネージャーを魔の手から守る事が、私の教育者としての使命なのだろう。

ユリ『うーん、今の時点ではちょっと・・・』
なつき『そっか』

実は一人だけ、どうも引っかかる新入生がいた。
口で説明するのは難しいが、何となく違和感みたいなのを感じた。

なつき『まだ3日目だし、まずは顔と名前が一致するようにならないとね・・・』
ユリ『とりあえず、全員の名前は覚えましたよ』
なつき『もう?』
ユリ『はい。まず、ピッチャー志望なのが・・・』
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