5人目の女子選手(なつき)

私は資料との格闘を再開した。

ユリ『今年の新入部員の資料ですね』

テーブルを拭き終わったユリが、横から覗き込む。
季節は春になっていた。
我らが恋恋高校も、新入部員を迎えたばかりだ。
そして数ヶ月後には夏の大会が始まる。

ユリ『いよいよ最後の夏ですね』
なつき『そうだな・・・』
ユリ『もし甲子園に出場できたら』
なつき『何もしません』
ユリ『せめて最後まで聞いて下さい・・・』

お下劣なフラグを叩き割る。
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