5人目の女子選手(なつき)



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Natsuki Fujino
正義の味方?
なつき『留学生、とか?』
みわ『それは無いと思うわ。ね、ユリちゃん?』
ユリ『はい。学校に通ってるような話も聞かなかったですね』
なつき『じゃあ、毎日来てたの?』
みわ『いえ、週に3日か4日ってトコね。《正義の味方をやってるの》なんて言ってたわ』
なつき『正義の味方・・・』

仮にそんな職業(?)が実在したとして、泣き虫な女の子に正義の味方が務まるかどうか疑問だが。
デパートの屋上で、泣き出してしまったヒーローを前にショッ●ーの方々がオロオロしている構図が目に浮かぶ。

ユリ『以前、店に変な人達が押し掛けて騒ぎになった事があったんですよ』
みわ『ウミちゃんが連れていかれちゃってね・・・』

・・・まさか、誘拐された?
一昨年の件が思い出される。

なつき『・・・それで?』
みわ『ウミちゃんがいないのに気が付いて、慌てて外に出たの。そしたら・・・』
ユリ『男の人達が皆、地面に倒れてて・・・』
みわ『ちょうど最後の一人に乗っかってて、頭を足で挟んでいたわね』
ユリ『そしてそのまま、一回転して地面に・・・』
なつき『・・・』

そのウミちゃん(年齢不詳)はかなりの強者らしい。
女子プロレスの練習生か何かで、正義の味方役というのも有り得る。
無事デビューできたら、一度くらいは観に行こう。

それはそうとして、狙われたのはひょっとしてユリではないだろうか?
一昨年の件以来、私が知る限りでは何も起きてないが、私が知らないだけなのかもしれない。

なつき『・・・そいつら、その後何かしてきた?』
ユリ『いえ。しばらくして店長の知り合いの方が沢山来て、連れていかれちゃいました』
なつき『いつものオカマ連中?』

写真を指差す。
オカマちゃん達が楽しそうな顔で写っていた。
服を脱いでいるオカマもいる。

ユリ『いえ、一見普通の男の人なんですけど・・・』
みわ『あの後、《ごちそうさま》ってメールが来たわ。画像あるけど見る?』
なつき『見ない・・・』

見たくない。
大体どんな写真か想像は付く。

ユリ『とってもげっそりしてましたねー』
なつき『・・・』

彼らには気の毒だが、その《知り合い》とやらにお中元の一つでも贈りたい。
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