5人目の女子選手(なつき)

みわ『写真、あったかしら?』
ユリ『去年の小梅さんの誕生パーティーの時、まだ辞めてなかったですよね』
みわ『そうね、ちょっと持ってくるわ』

オカマ店長が奥に下がる。
しばらくして、アルバムを何冊か持ってきた。

みわ『こっちの方かしら?』
ユリ『えっと・・・あ、これですね』

一つの集合写真を指差した。
この店で誕生パーティーをやったらしく、王冠を被ったオカマを中心に店長やオカマ仲間、常連客達が写っていた。
エプロン姿の若い女の店員が2人『小梅さんお誕生日おめでとう』と書かれた幕を持っている。
右側で持っている店員はユリだが、左側の店員は初めて見る顔だった。

なつき『この人?』
ユリ『はい』

薄い栗色のショートで、背はユリと同じくらいだろうか。
前にオカマ連中と飲み比べをしていたアレとは似ても似つかない。

ユリ『また一緒に働きたいなあ・・・』
みわ『失敗して泣いちゃってたのも、今では良い思い出ね・・・』
ユリ『私が来てからは、失敗するのほとんど見た事無いですね。むしろ私の方が・・・』
みわ『お客さんにお尻触られて、泣いちゃった事あったじゃない。あの時はユリちゃんが慰めてくれたのよね』
ユリ『ウミちゃん今頃どうしてるんだろ・・・』

ウミちゃんというのか。
その、前にいたというバイトの娘は。

ユリ『私達や常連のお客さんは彼女の事、ウミちゃんって呼んでたんですよ』
なつき『そのウミちゃんって、何歳なの?』
みわ『それがねえ、結局分からずじまいで・・・』
なつき『・・・』

大丈夫か、この店。
すごく今さらだが。
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