監督初日(なつき)

リナ『ユ・・・三国、由利って言ったっけ?女の子の部員。元気にしてる?』
なつき『え・・・?ああ、元気よ元気。元気過ぎて困る位』

・・・色々と。

リナ『でも、大丈夫なの?あの店』
なつき『え・・・?』

一瞬、身体のアルコールが全て抜けたような感覚に襲われた。
去年の夏以降、ユリの事を聞かれる事がたまにある。
それほど大きな記事ではなかったが、地方の新聞で女子高生スラッガーとして特集された。

リナ『あ、ほら・・・私、この前行ってみたのよ。そしたらあの娘がいてね』
なつき『あ・・・そうなんだ』
リナ『店長オカマだよね?』
なつき『・・・うん。凄かったでしょ?』
リナ『それだけで元取ったって感じ』

軟骨とバターコーン、卵焼きが来た。
既にビールのジョッキは空になっている。

なつき『・・・ええと、生で良い?』
リナ『うん』
なつき『じゃあ、生二つ追加で』

空になったジョッキを店員に渡す。

リナ『うん、ふわふわして美味しー』
なつき『どれどれ・・・本当だ』

卵焼きを食べる。
それから一時間程して、解散した。
割り勘にしようとしたが、リナが『アイツから金ふんだくってきたから大丈夫よ』と言ってきたので、有り難く御厚意に甘える事とした。
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