監督初日(なつき)

リナ『監督の方はどう?慣れた?』
なつき『まあ、ぼちぼちって所かな』

もう少しすると、新入部員が入ってくる。
最も楽しみな時期でもあり、気を遣う時期でもある。

リナ『なつきが監督で、皆ビックリするんじゃない?』
なつき『確かにね・・・』

最初の頃は、自分が思っている以上に私の事が知られていて逆にビックリさせられたものだ。
2回目になると、そのリアクションにも慣れてきた。

リナ『遥に聞いたよ。部員に迫られたりしているんだって?』
なつき『う・・・』

ユリの事が頭に浮かぶ。
女子リーグのトライアウトを受験するとか言っていた。

リナ『大変だねー頑張ってねー』
なつき『・・・』

サルサソースを付けたポテトチップをつまみながら、他人事のように言う。
私も、刺身に醤油を付けて口にする。

なつき『今度、臨時コーチか何かで来てくれない?奢るから』
リナ『うーん・・・気が向いたらね』

せっかくだから、ユリを紹介してあげよう。
後は知らない。
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