監督初日(なつき)

??『じゃあ、とりあえず・・・』
二人『『かんぱーい』』

ジョッキを合わせる。
彼女は、神代莉奈(かみしろりな)。
大学女子野球の代表チームで、私と二遊間を組んでいた。

私とリナ、そして遥の3人で《大学女子野球3人娘》と、何の捻りも無いネーミングで呼ばれていた。
別々の道に進んだ今も、時々は連絡を取っている。

なつき『で、たまには会ってるの?彼と』
リナ『さあ?知らない』

リナは大学卒業後しばらくして結婚したはずだが、苗字は変わっていない。
彼女の話は大体がノロケか愚痴なので、教頭の話程では無いが聞いてると疲れる。

なつき『別居する事になって泣いてたの、何処の誰だっけ?』
リナ『仕方ないでしょ。あの頃は私も若かったの』

そっぽを向きながらレバーを食べている。
事情があり、今年に入ってからは別居する事になったらしい。

なつき『《あの頃》って、まだ半年位しか経ってないじゃん・・・』
リナ『女は半年も経てば変わるの』

ジョッキのビールが減っていく。
銘柄は変わらないはずだが、先程の店よりも美味しく感じた。

なつき『ぷはー・・・』
リナ『次も生で良い?』
なつき『うん。それと刺身も』

ちゃんと機器の整備等をしているのだろう。
オカマ店長いわく『ビールはデリケート、オカマと同じ♪』らしい。
3 / 8
23/28ページ