赤ジャージをシャワー室に叩き込み、スッキリした顔をしていた延岡に丸めた週刊誌で一撃を加えた後、グラウンドへと戻った。

なつき『サード、行くぞー！』
なつき『次、セカンド！』
なつき『もう一回、セカンド！』

部員達にノックをする。
相変わらず曇り空だが、雨は降ってない。
ユリが横に来た。

ユリ『来ませんね・・・』
なつき『本当に今日なのか？』
ユリ『それは間違い無いはずです。他の先生方も慌てていましたし』
なつき『確かにな』

何となくだが、学校の中がピリピリしているように感じた。
校長か教頭辺りが一緒にいるはずだが、それらしい一行の姿は見えない。
ユリが守備位置に付く。

なつき『ショート、行くぞー！』
ユリ『はいっ！』

ゴロを捕り２塁へ送球、そして１塁へ。
結局この日、教育委員会の一行が現れる事は無かった。
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