監督初日(なつき)

ユリ『こ、この位かなぁ~』
なつき『本当は?』
ユリ『えっと・・・こんな感じ?』
なつき『明らかに触ってないか?』
ユリ『あ・・・えっと、これ位まででしたよ』
なつき『・・・最初と変わらないんだが』

自分の手を胸にくっつけたり離したりを繰り返している。
教育委員会の一行が来るのも忘れ、私は廊下でユリを尋問していた。

なつき『それで、何か言ってた?』
ユリ『あ、はい。《や、柔らかったぁ・・・!》って言った後、急にモジモジして何処かに・・・あ!』

しまった、と言った表情で口元を抑える。
私が起きた時、ユリを含めて3人しかいなかった。

ユリ『ええっと・・・きっと、アレですよ。若さ故の・・・何でしたっけ?』
なつき『劣情』
ユリ『そ、そうです。その通りです。さっすが先生、頭良いなぁ~・・・』
なつき『・・・』

ユリの顔から汗が滝のように流れている。
さすがにこれ以上の尋問は可哀相だろう。
そう思った、その時だった。

ユリ『・・・っていうか、何で先輩の私はダメなんですか?宗君だけずるい・・・』
なつき『いや・・・おま・・・』

・・・アイツか。
いや、問題はそこではない。
ユリの目が妖しく光っている。

ユリ『・・・そういう訳ですから、先生』
なつき『お、落ち着け・・・』
ユリ『すぐに済みますから』
なつき『い、いや・・・済んだら困る・・・』

・・・色々と。
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