監督初日(なつき)

なつき『・・・本当なのか、それ?』
ユリ『はい、みんな知っているかと・・・』

にわかに信じがたい話だったが、何か不自然だった気もする。
妙に態度がキツ過ぎるというか・・・

ユリ『さっきまで雨宮さんいたじゃないですか。時間つぶしてたんですよ、きっと』
なつき『うーん・・・』

ユリが嘘を言っているようには見えなかった。
二人の顔を思い出してみる。

ユリ『そういう訳ですから・・・ね?ダーリン』
なつき『ひっ・・・!』

再び肩に手が置かれる。
襲われていた事を思い出した。
むしろこの状況が嘘であってほしい。

ユリ『フフッ・・・』
なつき『あわわわ・・・』

私は身動きできない。
まさに、蛇に睨まれた蛙だ。

ユリ『今の内に何回も呼んじゃいますね、ダーリン』
なつき『うう・・・』
ユリ『ダーリン・・・ダーリン・・・ダーリン・・・ダーリン・・・』
なつき『う・・・』
ユリ『ダーリン』
なつき『・・・うわあああぁぁぁー!!』
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