監督初日(なつき)

なつき『皆さん始めまして。この度、新たに恋恋高校野球部の監督になりました、藤乃なつきです。皆さんと一緒に成長していきたいと思いますので、よろしくお願いします』

あらかじめ考えていた通りに自己紹介をした。
一部の部員がざわめき始める。

体育教師『あー、知っている人もいると思うが藤乃監督は元プロ野球選手の方だ。縁あってウチに来てくれる事になった』

それを聞いて、部員達から歓声があがる。
ちょっと照れ臭い。

体育教師『ちなみに先生も、藤乃監督のファンでな。いやー、まさかあの胸が生で』
マネ『先生ッ!!』

マネージャーが怒鳴り付ける。

体育教師『と、そんな訳でだ』

・・・何がそんな訳だ。
顔と胸に部員達の視線を感じながら、心の中で赤ジャージにツッコミを入れる。

体育教師『藤乃監督が我が校にいる事はあまり公にしないでもらいたい。インターネットにも要注意だな』
『先生が一番危ないんじゃない?』
『大丈夫なのー?』
体育教師『先生は大丈夫。なぜなら、いかがわしいサイトしか見ないからだ!』

笑いが巻き起こる。
だが、マネージャーだけは別だった。

マネ『先生、いい加減に・・・』
体育教師『おおっと、スマン!そういえば呼ばれていたんだった。じゃあ藤乃監督、後はよろしく頼みますよ?』
なつき『は、はい・・・』
体育教師『それと今夜の』
マネ『先生!』
体育教師『おー、怖い怖い。んじゃーなー』

赤ジャージは去っていった。

マネ『ったく、あの脳ミソ筋肉め・・・。監督、どうします?』

マネージャーが忌ま忌ましげに聞いてくる。
どうも監督という呼ばれ方がしっくりこない。

なつき『とりあえず・・・一人ずつ自己紹介してもらえる?ポジションと簡単なセールスポイントも込みで』
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