監督初日(なつき)

部活の時間になった。
代理で監督をやっていた体育教師と共に、グラウンドへ向かう。
赤いジャージを着た、何処にでもいそうな体育教師だ。

体育教師『いやー、写真やテレビで見るよりも美人ですなー。どうです、今夜一杯?』
なつき『か、考えておきます・・・』

そんな会話をしている内にグラウンドに着いた。
彼なりに、緊張をほぐそうと気を遣ってくれているのだろう。
グラウンドには、既に部員が揃っていた。

体育教師『よーし、揃ってるな。いいか、この人が野球部の新しい監督だ。喜べお前達!先生も嬉しいぞー!!』

・・・前言撤回。

『うおー、美人!』
『マジで!超ラッキー!!』
『デッケー!』
なつき『・・・!』

思わず胸元を隠す。
いつの間にか部員達の視線が、私の顔から胸へと移っていた。

マネ『もう・・・アンタ達!あ、スミマセン・・・』

マネージャーらしき女の子が申し訳無さそうな顔になる。
美人だが、気の強そうな感じだ。

体育教師『そうだぞお前達!彼女は今夜、先生と大人の付き合いをするんだ。そうですよね?』
なつき『え・・・いや・・・』
マネ『先生、いい加減に・・・』
体育教師『もー、軽いジョークに決まってるでしょ。分かんないかなぁ?』
マネ『アナタが言うと冗談に聞こえません!』

マネージャーからの厳しいツッコミが入る。
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