魔宮へ(なつき)

ユリ『ご注文は以上でお揃いでしょうか?それでは、ごゆっくりどうぞ』

ユリは忙しそうに店内を動き回っている。
仕事をこなすその姿は、野球部で雑用を率先して行っている姿と変わらない。

ユリ『店長、あと何分ですかー?』
みわ『今上がったわ。お待たせ!』

場所が部室から、いかがわしい店長のいる店に変わっただけだ。
私はというと何を注文すれば良いのか分からないので、とりあえず店長のオススメを幾つかと同じく店長オススメのビールを頼んでみた。

そしてそれらは、とても美味しかった。
素材の味を最大限に生かしつつ、決して主張し過ぎないその味はビールに良く合っていた。
店長がオカマなのを差し引いても良い店だと思った。
たまには教え子の働きっぷりを見に行くのも良いかもしれない。
そんな風に思った。
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