そして、晴れて出場できるようになった初の大会。

あおいさん達にとっては既に最後の夏となってしまったが、この大会で恋恋高校は甲子園出場を果たした。
まさに絵に描いたようなサクセスストーリーだった。

その後、あおいさんは千葉ロッテマリーンズに指名されプロ入り。
アンダースローからの高速シンカー『マリンボール』を武器に活躍。
トレードでキャットハンズに移籍し、数年前に引退した。

そんなサクセスストーリーの舞台となった恋恋高校だが、甲子園に出場したのはその一回だけで、最近では初戦敗退も珍しくない。
近隣に幾つかの強豪校があり、有望な生徒はそちらに入学してしまうという。

そんな恋恋高校で私がどこまでやれるのか、少し不安もあったがそれ以上に楽しみだった。
恋恋高校の出身でキャットハンズのＯＢでもある早川あおいさんに呼び出され、すぐに決断を迫られた時は不安で堪らなかった。

しかし、練習設備や整備されたグラウンドを見た瞬間に全身から力が沸いてきた。
この学校で頑張ろう。
心からそう思った。
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