女教師と怪しい店(栗橋)

萱島『着きましたよ』
矢部『一昔前のRPGに出てくる酒場のようでやんす』
栗橋『・・・』

再びやってきましたオカマの園。
下品な電飾看板は、今日も律儀に店の存在をアピールしております。

矢部『早速入るでやんす』
萱島『行きましょう』
栗橋『うん・・・』

渋々、といった感じで二人に続く。
何かあってからでは遅いので、とりあえず一緒に来た。

??『あ、いらっしゃいませー。すぐにご用意しますので、おかけになってお待ち下さい』

オカマの園に入ったオレ達を迎えてくれたのは、前回のオカマ店長ではなくエプロンを着けた若い女の子の店員だった。
オレ達を見て一瞬驚いたような表情になったが、すぐに笑顔に戻る。

??『どうぞ』

3人という事もあり、今回はテーブル席に案内された。
ソファーに座り、周囲を見渡してみる。

みわ『ちょっとなっちゃん?いつも以上にペース速いんじゃないの、大丈夫?』
??『大丈夫よ~。みわちゃん、ジャンジャンバリバリ持ってきて~!』

オレ達の他にはカウンター席に女性客が一人いて、オカマ店長が相手をしている。
先程の若い女の子の店員が、女性客の所に行った。

??『先生、ボタン外れてますよ。せめてここまでは、ちゃんと付けとかないと・・・』

オレ達が来たので、緩めたボタンを着け直してあげているようだ。
彼女はこの店の常連客だろうか?

栗橋『あらら・・・』
矢部『やんす・・・』

カウンターの女性客がオレ達に気付いた。
少しばかし酔っているように見える。

??『・・・んー?アンタ達、もしかしてみわちゃんの知り合~い?』
栗橋『あ、はい・・・』
萱島『まあ、一応・・・』

椅子から立ち上がり、聞いてくる。
隣にいる女の子の店員が肩を支えようとした、その時だった。

矢部『や~んす!』
栗橋『あ・・・』

止める間も無かった。
突然、矢部君が叫びながら女性客の所へ走っていく。
しかも両手を拡げ、抱きつくような体勢だ。
(色々な意味で)危ない!と、思った次の瞬間。

??『・・・ハァッ!』
矢部『ギニャアアアァァァでやんすぅぅぅ・・・!!』

矢部君の股間に、女性客の膝蹴りがヒットした。
むしろ、めり込むと表現の方が相応しい。
とても酔っているとは思えない、キレのある動きだった。
自業自得とはいえ、あれは痛そうだ。

??『うわぁ・・・久しぶりに見ました、おしおき技その3・・・』
矢部『・・・や・・・ん・・・す』

矢部君が床でピクピクとのたうちまわっている。
生け簀から出され、これから調理される魚のようだった。

栗橋『だ、大丈夫?矢部君・・・』
矢部『オイラのガンダーキャノン、今日一杯は使用不能でやんす・・・』
萱島『使う予定あるんですかぁ?』
矢部『さりげなくヒドイでやんす・・・』
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