女教師と怪しい店(栗橋)

萱島『うー・・・こうなったら力づくでも連れていきます』
栗橋『や、やめろっ』

意を決したように近付いてくる。
とりあえず逃げようとした、その時だった。

矢部『やんすー』
萱島『あ、矢部先輩』
矢部『どうしたでやんすか?』
萱島『この近くの美味しい店の話をしていたんです。でも、栗橋先輩は用事があるらしくて・・・そうだ、矢部先輩だけでもどうですか?』

しれっとした顔で尋ねている。
なんて後輩だ。

矢部『こう見えてもオイラ、グルメなのでやんす。どんなジャンルのお店でやんすか?』
萱島『そうですね・・・オシャレなオトナのバー、って感じですね』
栗橋『・・・』

矢部君がグルメだなんて話、初めて聞いた。
アニメのグッズが貰えるから、という理由で毎日同じカップラーメンを食べていた印象しかない。
さすがにプロに入ってからは自重していると思うが。

矢部『それは素晴らしいでやんす』
萱島『という訳で、早速行きましょう』
矢部『ムーディーなオトナの世界にレッツゴーでやんす!』
栗橋『・・・』

オトナではなくオカマの間違いだ。
まあ、ある意味ではオトナの世界だが。
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