魔宮へ(なつき)
なつき『あと何分くらい?』
ユリ『そうですね・・・5分くらいだと思います』
ユリの言う通り、5分程歩いた所に“それ”はあった。
周辺の風景に溶け込もうという姿勢が全く見受けられない、極彩色の建物。
屋根の上には縛られた女性のような怪しいオブジェが鎮座している。
看板のネオンは、夜になると下品な輝きを放ち、周辺の景観をさらに損ねるであろう事が要因に想像できた。
なつき『・・・』
近隣住民からの苦情どころか、テレビ局の取材が来てもおかしくない。
きっとその番組は、周辺の風景に全てモザイクが入っており、近隣住民が加工された声でインタビューに答えているのだろう。
そんな事を考えている内に、ユリはまるで自分の家に帰るかのようにドアを開けて不審な建物の中に入っていった。
ここであって欲しくないと思う反面、ここで間違いないと私の直感が告げていた。
ユリ『先生ー。早くー』
ユリが手招きする。
周囲に人がいない事を確認し、私は魔宮への第一歩を踏み出した。
鬼が出るか、蛇が出るか・・・
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ユリ『そうですね・・・5分くらいだと思います』
ユリの言う通り、5分程歩いた所に“それ”はあった。
周辺の風景に溶け込もうという姿勢が全く見受けられない、極彩色の建物。
屋根の上には縛られた女性のような怪しいオブジェが鎮座している。
看板のネオンは、夜になると下品な輝きを放ち、周辺の景観をさらに損ねるであろう事が要因に想像できた。
なつき『・・・』
近隣住民からの苦情どころか、テレビ局の取材が来てもおかしくない。
きっとその番組は、周辺の風景に全てモザイクが入っており、近隣住民が加工された声でインタビューに答えているのだろう。
そんな事を考えている内に、ユリはまるで自分の家に帰るかのようにドアを開けて不審な建物の中に入っていった。
ここであって欲しくないと思う反面、ここで間違いないと私の直感が告げていた。
ユリ『先生ー。早くー』
ユリが手招きする。
周囲に人がいない事を確認し、私は魔宮への第一歩を踏み出した。
鬼が出るか、蛇が出るか・・・
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