初勝利(栗橋)

栗橋『美味しかったね』
萱島『はい、想像以上でした』
栗橋『店長さんも良い人だったし』
萱島『そうですね。ちょっと下品でしたけど』

本格的なハンバーガーでお腹を満たしたオレ達は、帽子にマスク姿で歩いていた。
オレはともかく、萱島さんは割と顔を知られている。

萱島『これからどうします?ホテル行きます?』
栗橋『・・・ホ、ホテル?』
萱島『やだなー、先輩。滞在先のホテルに決まってるじゃないですか・・・』
栗橋『あ、うん・・・』
萱島『もしかして、違うホテル想像しちゃいました?・・・先輩のスケベ』

すっかり遊ばれている。

萱島『大体何なんですか、あのランキングは?セクハラもいいとこです』
栗橋『だね』
萱島『でも、先輩だったら良いかな・・・』
栗橋『えっ!?』

思わず上から下まで見てしまう。
据え膳喰わぬは何とか・・・だったか?

萱島『なーんてね。それこそ、あの店長が言ってたみたいに東●ポ一面ですよ』
栗橋『うう・・・』
萱島『もう、先輩可愛いなぁ』

肘でつんつんしてくる。
みずき先輩の影響だろうか?
きっとそうに違いない。

萱島『でも、あの人とは行ったりするんですか?』
栗橋『あの人?』
萱島『ほら、スポーツキャスターの・・・カシハラ、さんでしたっけ?』
栗橋『い、いやいや・・・そんな事は無い!記憶にございません』

以前、一緒に食事に行った所を写真週刊誌に撮られた事があった。
・・・気をつけねば。

萱島『うわぁ・・・出た出た。インチキ政治家の常套句』
栗橋『断じてやましい事等ございません』
萱島『・・・』
栗橋『私はクリーンな政治がモットーです』
萱島『・・・あいつら、ホント嫌い』

突然、萱島さんの口調が変わった。
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