初勝利(栗橋)

店長『ハイ、アリガト。ヨカッタラマタキテネ』

支払いを済ませた。
確かに、萱島さんの言う通り少し安くなっている気がする。

店長『トコロデキミタチ、コレカラドウスルノ?オトマリスルナラ、イイトコシッテルヨ?』
萱島『え・・・ええっ!?』

萱島さんが驚いて口をパクパクさせている。
このオッサンは何て事を言うのだろう。

店長『ハハハ、ウソウソ。フ●イデーサレチャウネ。《カヤシマ&クリハシ、シアイゴホテル》ト●スポ、イチメンネ』
萱島『もー・・・』

膨れている。
いや、ちょっと待て。

栗橋『・・・店長さん、オレ達の名前知ってるんですか?』
萱島『え?・・・あ!そういえば・・・』
店長『ハハハ。バレチャッタネ。ジツハ、アノコカラキイテタヨ』
萱島『あ、そうだったんですか。人が悪いなぁ、もう・・・』

その女子リーグの娘は、オレの事も知っているという事だ。
もちろん、悪い気はしない。
以前、女子リーグの選手から萱島さんを通じてサインをお願いされた事があったが、もしかしてその娘だろうか。
一度会ってみたいものだ。

萱島『なーにニヤニヤしてるんですか?一瞬、矢部先輩かと思いましたよ』
栗橋『うっそぉ・・・』

ジト目で見てくる。

店長『オー、イラッシャーイ!』

店内が少しずつ混んできた。
オレ達は帽子を被りマスクを付け、店を後にした。
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