雨に打たれて(マミ)

鬼頭『と・・・そういう訳や』
マミ『あの・・・本当にすみませんでした』

深々と頭を下げる。
彼から聞いた概要はこうだ。

鬼頭さん達と酔っ払ったサラリーマン数人が揉めている場面に、3人の女性が遭遇。
いずれも全身タイツという怪しさ満点の出で立ちで、その中の一人は残念ながら私だったらしい。
さらに悪い事に、リーダー格の女性が鬼頭さんに因縁をつけ事態をややこしくする。

鬼頭『さっきの構えもそうやけど、一目見てアカンと思ったわ。単なる猿真似とは訳が違う』
マミ『・・・』
鬼頭『そのせいで、もう一人に気付くのが遅れた。一番背の高い姉ちゃんに、何とかっちゅうプロレス技を掛けられたわ』

ちなみにその女性、背だけではなく胸も大きかったらしい。
ただ、残念ながら(?)感触を味わう事はできなかったそうだ。

鬼頭『どうにかして脱出しようか考えとると、姉ちゃんが耳元で囁いたんや』

長身かつ巨乳の女性は
『・・・適当な所で降参して下さい。あの人それで納得しますので』
みたいな事を言ったらしい。
ちなみに私はというと、現在同じ野球部に所属している荒井忠太(あらいちゅうた)さんに技を掛けていたそうだ。

マミ『謝っておいた方がいいですよね・・・?』

荒井忠太さん。
鬼頭さんとは中学時代からの付き合いらしい。

鬼頭『ええんちゃう?ケツ触っとったし』
マミ『う・・・』
鬼頭『まあ、わざとちゃうけどな』
マミ『・・・』

どういう訳か、それからしばらく後にも似たような事があった気がする。
ある意味、自業自得なのかもしれないが。

鬼頭『そもそも忠太はまだ気付いてへんと思うわ。どうしてもっちゅうなら、俺が口止めした後でな』
マミ『分かりました・・・』
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