恋恋高校の日々(なつき)

ユリ『先生、練習付き合って下さいよ~。先行ってますね~』

ユリの顔に汗が流れ、太陽の光に反射する。
ちなみに、部員は私の事を『先生』と呼ぶ。『監督』と呼ばれるのがしっくりこないので、『先生』と呼んでもらう事にしている。

ここで私が男なら
『捕まえてごらんなさい』『捕まえちゃうぞ~、待て~』
となるかどうかは分からないが、私は女だ。

念の為言っておくが、私にはユリみたいな趣好は無い。
しかも今は二日酔いで頭が痛い。
置いてあったスポーツドリンクを飲み干す。
再び眠りに着こうとしたその時、ユリが目の前に来た。

ユリ『先生、今夜の約束忘れないで下さいよ?』

その一言で再び眠りから醒めた。
今夜?約束?前にあれだけ酷い目にあったのに?

なつき『してないしてない!記憶に無い!』

私はぶるぶると首を振る。

ユリ『そんな・・・私との事は遊びだったんですか?』

ユリは涙目になっている。色々おかしい。

ユリ『私のバイト先、見てみたいって言ったじゃないですか』

・・・思い出した。
ユリは最近、週に何回か飲食店でアルバイトを始めたらしい。

ユリいわく『とっても良い店』との事だ。
そこまで言われると一度は行ってみたくなる。
そして、運動した後の方が食事は美味しく感じる。
私は顔を洗い、練習に参加した。
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